食品に対する残留農薬基準って御存知ですか?

02年1月


農薬が食品中にどれだけ残っていてもよいかを定めた数値が『残留基準』です。

厚生労働省が食品衛生法に基づき農薬ごとに決めている数字で通常は100万分の1の比率の単位である「ppm」で表されその量を超えると違反になり取り締まりの対象になります。

農薬のように有用な?薬剤の場合にはADI(許容一日摂取量)と呼び
ダイオキシンの様に無用な毒物だけど やむを得ない場合にはTDI(耐用一日摂取量)と呼びます
が いずれも毒性・発がん性などの動物実験によって決められています。

実験動物の数値を使っていることで10倍 個人差があることで10倍 両方で100倍の安全係数を掛けてまず ADI←が決まる訳です。
※ADI(Acceptable Daily Intake:1日摂取許容量)

残留農薬で一躍有名になったクロルピリホスですが そのADI値は0.01mg/kg/日となります(シロアリ駆除剤にも入ってます)
体重が50kgの人ならば、0.5mg/日と言う数字で もしも200gの食材で この値を超すのは2.5ppm以上の残留がある場合ということになります。

この0.5mg/日なる値が基準となって その8割が食品から摂取されると考えて可能性のあるものに割り振るといったカラクリです。※残りの2割は 水分や空気等より摂取として

日本ではホウレンソウに農薬としてクロルピリホスが使われる事は まずありません。
そこで検出限界である0.01ppmといった値が割り振られる。同じ葉物であっても小松菜は2ppmになって大根の根は 3ppmという値が割り振られています。

ということは原理的に言えば食生活が変わると 食品の残留農薬基準は変わることになるんですねこれが。

上記を例に取ると体重50キロの人が2.5ppmの違反ホウレンソウを200グラム食べるとADIに達すると言うことになり 中国産のホウレンソウの違反が基準の250倍もの濃度だと報道されても実は2.5ppmだということになって大根の根なら問題無し。小松菜であればたった2割オーバーという程度のことになる訳で。
この辺の解釈は個人の考え方次第かもしれない。

なんて健康影響を考えるうえで問題になるのは 実際にどれだけの量を食べたか?であって
残留農薬の違反が見つかっても『ただちに健康影響はない』と言うのは基準を多少超えても摂取量はADIに達しない上 違反品ばかり毎日食べるとは考えにくいから と言えるからです。 

だから正しい食生活と言うのは 色々な種類のモノを食べると言う事につきます。

但し 日本人のDNAってのは 味噌(塩)と米だけでも十分健康的に生きてはいける訳で 無理して一日30品目なんて焦らなくっても良い訳で。

偏った食生活ってのが リスクが大きくなると考えれば それで正解。

話は反れたけど 本当に危ないかどうかそれは ADIの値を基準に考える必要があるのかも知れません。そして今後の課題として国際的に使用されている食品用の農薬が700種。その中で 日本での農薬取締法による登録農薬が350種。しかし日本で残留基準のある農薬は229種類しかないと・・。計算があいませんよね(笑)

また基本的に輸入食物は怖く 国産食物は安全と言う報道にも疑問を覚える。
実際 対アメリカで問題になっている 小麦や大豆などの輸入モノについては日本からの『これ以上ポストハーベスト使いなさい』って通達がある事を皆さん知らない。

コノ問題 
これ以下にしなさい←では無く これ以上←って通達が日本から出されているのです。日本の農業についても 農家の方には最低使用量と言うのが推奨されているんですねこれが(^-^;

さてさて 日本の近海で取れる魚介類は ダイオキシン濃度が北洋魚に比べ50倍以上 なんて報告もあったりして益々あなどれないのです。

表示詐称の事だってあり
 国産=安全と言う観念は捨てた方が良いですねちなみに トロなんて重宝されるマグロ。ダイオキシン含有量はトップレベル。

食品衛生法では基準の無い農薬の残留を健康被害の恐れが高くない限り 取り締まることができないのも確かな事実で 厚生労働省は本年度から一気に基準作りを進め 将来は基準の無い農薬を『残留禁止』にすることができるように法改正をする方針だったりするのです。
各種の正式な基準確定が望まれます。

この辺の規定は 厚生労働省と農林水産省の二本立ての縦割り行政で決めるのではなく ある一定の機関をつくり専門的に 又早期的に判断していただきたいとは 私だけの意見では無いはずですよね。

やはり小さなベランダでも 小さなお庭ででも『自給自足』の道を模索していく事が 安全への第一歩なのかもですね。

=身近なADI値の考え方=

例に挙げると『2,4-D』 と言う除草剤のADIは 0.1・『キャプタン』と言う殺菌剤のADIは 0.125〜と言った具合に ADI値は設定してあります。

例えば『2,4-D』と言う除草剤を 体重50kgの人は1日/5ogまでなら摂取しても大丈夫であろうと言う数字なのです。

 


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