偉大なる環境負荷・太陽光発電について<第一部>

2001年8月


今回は【壮大なる無駄使い・太陽光発電】について。 

いきなり天の邪鬼な書き出しですいません(汗)最近ではゼロエネルギーなんて持て囃されつつある太陽光発電。そう どうも世論とは違うところを見てしまう様で(汗) ちなみに『太陽光発電』については 私も数棟実績があり今も屋根の上で発電を続けています・・。

現在 設置費としては 独自のルートを駆使し 補助金等合わせ140万円程度の出費で施工可能です2000年現在)設置した後 石油換算の単純計算で年間約708gの資源の節約が可能・・そか それで資源の節約が出来るのなら  そう思いの方もみえるのでは?
飛騨地区の平均日射量にて3KWで年/約7万8千円位の発電試算です(あくまで試算ですが・・)

私もその一人でした。 もっと普及をと勉強してみたものです(^-^; で 色々な方向から検討した結果が下記です。そして又最近 その様なご要望を耳にする機会が増えましたので ここで取り上げてみることにしました。 

まず太陽光発電の抱える問題の第一は、あまりに高価に付き過ぎる点にあります。 

1KW当たりの発電単価で比べると、一目瞭然。天然ガスや石油を利用した最新鋭の火力発電が、4〜5円・原子力がその倍の9〜11円なのに対し、なんと!火力発電のざっと10倍以上!太陽光発電は70100となり、火力に比べ何かと批判にさらされる原子力発電とすら、お話にならない位のコストの差になります。

ただこのコストは、単純に1KW時の製造コストで、そこまでの補助金・パネル製造費は上げてませんので、益々差が開くのはお分かりでしょう。

家庭用太陽光電池設置イメージ

ちなみに通常の火力・原子力発電並の100万KW程度の電力を得ようとしたら、少なく見積もっても太陽電池(これが高い!)のパネルを200平方KM敷き詰めなければいけません。

これは高山市の都市計画区域全体の約1.5倍となります。そんな広大な土地ドコにあるのでしょう?

じゃあ民家の屋根に、うん。良い考えです。現在設置にかかる費用の1/3が国の補助として出ます。そして設置し、そこで発電した電力は、電力会社に1KW当たり25円で買い取ってもらえます。

トコロがあまりに効率が悪いので、標準的な設備費の個人負担を償却するのに、40年かかるという試算があります。そのパネルは40年発電を続けられるのか?(無理です)という疑問と、もし仮に続けられたとして、補助金分の負担と、製造にかかわる償却はそれからと言う事になり、これでは一般住宅への設置は高価な道楽と結論付けるしかないって所です。 

じつは太陽光発電についての最大の盲点はその根本的な部分、すなわち『太陽光発電はクリーンな自然エネルギー』とする考えそのもの!と言う大きな間違いと言う事に多くの方は気づいていません。 

まずその根本たる太陽電池の製造過程では、大量の電気を必要とします。例えば1W発電する太陽電池を造るのに、シリコン樹脂が約10グラム必要だと聞いた事があります。このシリコン10グラムを作るのに電力は約3KW必要となります。

この樹脂を作るため使用した電力は、太陽光で3000時間発電すれば得られますが、稼働率が10%と低い為(火力では40%)4年以上かかる計算になります。ついでに、家庭用の太陽光発電器を作る為に消費した電力の元をその発電器で取るには、10年は最低かかります。 

つまり発電機が稼動して最初の10年は、その実石油を燃やして発電しているのと、何ら変わらないわけです。いや、個人の資産(購入費)も入っている訳ですからもっと悪いか・・? 

本格的な太陽光発電所なら、揚水発電所などの建設費や、運転に費やした電力の消費も考えなければイケマセンから、その期間は更に延びると。途中で発電を中止する事にでもなったら、それこそいたずらに石油を損失しただけの結果に終わります。 

これって『クリーンな自然エネルギー』なんて言えないのでは? 

そう、そんなこんなで日本以外は完全に風力にシフトしています。もちろん立地的条件が良いことが上げられますが、何より風力は、1KW当たり15円程度と発電費が安く済むと言う、いかにも欧米的合理主義が、そこにはあると踏んでいます。 

そろそろ太陽光発電には、日本も見切りをつけるべきってのが私の考えだったりします。そんな事に金使うくらいなら、燃料電池とか、まだまだ再生可能エネルギーの道があると思っていたりするのです。

結論として太陽光電池は確かに悪くない。
離島や前人未踏の未開地なら得策と言える。しかし送電条件が揃っている地域では 贅沢品・もっと悪く言えば自己満足嗜好品と位置づけざるを得ない。そんな感じかな。

一つのモノを使うに当たって 色々な面からの検討って必要ですね。 かなり削って書きましたが 疑問等ございましたら お気軽にどーぞ。 

しかし・・今年異常に暑いですね (-"-;) ひからびそうです・・(笑)ここ高山でも 7月は真夏日(30度以上)26日観測されたそうです・・・暑いはずです・・・・これで 痩せないから不思議だ(^-^;  
 

追記:20037 <第二部>


最近何故だか また太陽光電池に対する要望や質問が増えてきた。そこで調べてみると知らないうちにペイ・バックタイムが縮小されているらしい。 

ペイバック・タイムとは その機器を作るのに投入したエネルギーを その機器が存在している間どれだけ取り返せるか?と言う経済効果の事

最近の書誌によると補助金を無視して 3kWの標準家庭用太陽光発電装置にて 設置に関わるエネルギーや周辺機器も含めて 結晶系で8.2年・アモルファスで3年とされているらしい。そしてなんと年産100メガワットの規模では結晶系太陽電池でも4.3年・アモルファス系で2年と試算されている。

すっごい進化と言えそう。但し先に書いた『補助金を無視して』だからね(^-^;

しかし それを倍にして考えても家庭用発電機のペイバックタイムは56年。ざっくり計算して 4050/Kwの発電単価となるわけかぁ。それなら以前の考え方はちょっと当てはまらなくなってくるかも。

で その後の考察。


やはり良く判断基準にされるのが太陽電池は元(設置費)を取れるか?と言う疑問。その質問には 今でも経済的に見れば元は取れないと答えるしかない。

ただーしっ 太陽光をエネルギー資源として捉え太陽光による恩恵のエネルギー
(タダだし)と産出エネルギーの比較から考えれば 元は化石エネルギー同様取れると言える(クドイけど日射はタダだから)
あくまで元が取れると言うのは化石エネルギーとの比較としてだけど ここで挙げる太陽光エネルギーは民間の資本を使うと言った点で やはり捉え方が違ってくるから投資金額的に やはり元は取れない。

例えば一切故障が無いと仮定し 年間8万円発電したとしよう。
発電料が10年で80万円。20年で160万円。単純計算で設置費が160万円だったとしたら 20年でようやくチャラ。200万円だったら25年でペイ。で 
その後屋根上のパネルが どれだけ存在していられるか?また10年以内には必ずコンデンサ(変電機)が寿命となる。これが上で挙げた 資本で見た場合のペイバックコストと言うわけ。
資本的に見るとやはり難しいと答えるしかない。ちなみに発電用パネルは熱に弱い。夏の暑い日や 逆に冬の寒い日(積雪時は論外)なんかは相当に発電能力は落ちるんだよねこれが。

実際 太陽電池は未だに高い。正直民間でまかなうには高すぎると定義するしかない。
電力は普通にコンセントに端末を刺せば繋がる今 わざわざ高いお金を生産し(あえて生産と言おう)作り出す意味が考えられ無いのだ。

キャベツが1円安いと自転車を走らす家庭の財布を握る奥様方が お隣より高い電気代を払って納得するだろうか?実際 製造コストや生産コストを無視すれば それは確かにゼロエネルギーかも知れない。が しかーし やはりそうではないのだ。また太陽発電に深夜電力を組み合わせるとより有利になるという料金形態も見かけるが 深夜電力という環境負荷は増えるが料金は減るという理不尽な電力の利用と考え方は同義。やはり意味を持たない。

太陽の恩恵は現在の所 太陽熱集熱器の採用やダイレクトゲインに日射取得などを考えた方が 環境的にも経済的にも優位に立てると思われる。

 

深夜電力は余剰電力(昼間と比べ)を使用しているだけで 生産コストは変わらない。

ただし 生産コストの低い電力基(原子力)を使えると言った点では昼間より低コストでは有る。


経済的にも環境的にも見て『買い』に行くには補助金も含め20万円/Kw程度まで価格が押さえられるまでと思う。 すなわち通常の3Kwの発電量で設置費6070万円程度と言ったところ。(補助金には 税金が使われるわけだから無視は出来無いんだけど・・はは)もちろん発電単価的には30/Kwを切りたいって感じかな。

実はね あまり大きな声では言えないんだけど
(ぢゃ書くなよ・・)
この地で入れた太陽電池 最初の計算値通りに発電しているパネルはゼロ/(-_-)\ 。メーカーを変え機種を変え何度かやってみたけれど結果は一緒。そう。思ったより壊れるのだ。ま 機械なんだから壊れて当然なんだけど 壊れたのに気づくのが月初めに来る先月の売電書(○○発電所様って通知が来る)あれ?全然発電してないぢゃんって(こらこら)雪の積もる冬季なんか特に。中には あまり発電しないので放っておいて数ヶ月後に気づく事例も・・。まだまだ発展途上とも言える太陽光電池。机上の論議で無く 現場の意見として経済的な効果は感じられないと断言したい。

もし『第一部』で挙げたように それが環境負荷に繋がるのなら やはり環境悪。個人の資本を使っているのだから無駄使いとも取れる。 やはり今のところ 離島や前人未開の土地への活用が適所といったところ。また 個人に おいては家庭における使用料金と売電料金を比べ 省エネを考える為の ひとつの材料でしか無いように思えてならない。
(今月は こんなに発電した!来月こそ買う電気を無くそう!とか)けどまぁ 電気を造っていると言う優越感的な効果は 経済的には出ないけど意識として大きい効果となるのは納得できるけどね。

なかなか正解の見えないこの賛否。
調べてたら実は結構 肯定だけぢゃなく太陽光反対論みたいのもあって驚いたりして(笑)

しかし 先のペイバックコストが本当かどうか?実際計算通り行くかどうか これをお読みの方で いや!自分は環境に対し貢献するぞ!って方 もちろん無報酬で設置費は協力します
(一応パイプありますし) 実際 設置コストを無視すれば 省エネの意識は確実に生まれるかとは思います。どなたか実験台 (いえ・・言葉が変ですねw
になって下さいませんか。

ペイバックコスト
例えば太陽電池を作るのに 仮に化石エネルギーを100使っても 太陽電池が壊れてしまうまでに 太陽エネルギーを100以上変換出来なければ 初めから化石エネルギーを100使っていた方が良いということになる。
これが 01年に書いた概要です。それがもし 化石エネルギー100から 太陽エネルギー120を作り出す事が可能ならその20単位分が 太陽光エネルギーの意義。そのプラス分を稼動年月と製造費で割っていってコスト的にどうか?って事なんす。
 


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