例えば数字で見る断熱材と持続可能性
           
住宅の環境負荷を考えた場合その断熱性能も、ひとつのファクターとなります。


しかし、断熱材には幾多の種類があり、性能も価格も経年変化もまちまち。


そこで断熱材を選ぶ基準のひとつに、素材の熱抵抗値(R値)と言う数字があります。


この数字は、熱の逃げにくさを示す数値(熱抵抗値)で、このR値が大きいほど熱が逃げにくく、優れた断熱材といえます。


例えば、最高基準とされる次世代断熱基準で、飛騨地区(U地域)に求められる壁のR値は充填断熱で2.2u/W。


壁を校正する全ての素材で、この数字を満足出来れば、次世代断熱基準を満たした事になります。


 しかし、更に進んでポスト次世代として現在、弊社では充填+付加断熱を採用し、壁のR値は断熱材の性能だけで、4.45u/Wの性能を推奨しています。


最高基準のほぼ倍の性能を満たす事で、消費熱負荷も抑える事が出来、環境のみでなく、お財布にも優しい性能を手にする事が出来ます


例えばこの数字、一般に『高性能』と扱われる断熱材では、どれだけの厚みが必要になるでしょう?弊社の基準値R値4.45u/Wを満たす厚みが下記です。

 
ウレタン2種3号の場合 138o
通常グラスウールの場合 223o
外断熱スタイロフォームB種3類の場合 125o
高性能グラスウール・ロックウールの場合 170o
外貼りフェノールフォームの場合 89o

                                                      〜の厚みが必要となります。
           
                                        ※細かい計算方式は割愛致しています(^-^;


各断熱材のR値の違いで、必要厚さが変わる事と、その施工の難しさが解ると思います。


これ玉砕状態で解りやすく高断熱で有名なメーカーで例えると、最初のウレタンがFPさんで、弊社基準に併せると約140o厚が必要なのに対し、MAX100o。4つ目がスェーデンハウスさんで、同じくMAX150oですから、如何に私の提示する基準が高いかお解りでしょう。外貼り二重通気で高断熱?ってのが無理 難題な事も解るかと思われます。



※解りやすく高断熱を推奨してみえるメーカーさんを抜粋しましたが、上記に挙げた2メーカーさんは、現存するハウスメーカーさんの中で、大変高い水準で施工されていると考えています。


もっと言うと、袋入り繊維系断熱材の場合、施工精度で上記の数字の60%も性能が低下する事も解っています。その辺り現場単位での施工精度の要求は大切なファクトと言えます。


また例えば3.5寸厚の壁に、それを越える厚みはセット出来ませんし、外貼り断熱に100oを越える断熱材を使用する事は、耐震性や経年劣化を考えて不可能と言う事です。


ちょっと毒舌だったでしょうか(汗


そして、忘れられがちなのが、同じ性能ならコストは安い方が良いと言う事で、予算が無尽蔵にある方ならともかく
(それでも環境的にはボツですが)価格が高い=高性能と言う訳でも無いのも事実。


如何にコストを抑え、高い性能を維持するかがポイントと考えます。


断熱材はネームバリューでは無く性能・コスト・そして施工精度で選びましょう。


本来なら、その断熱材の製造工程から廃棄にいたるまでのLCA※も吟味したいモノです。


断熱性能は、この他、窓・気密など多岐に左右されますので、総括的な考え方が必要と言えます。この辺『断熱材の性能=住宅の性能』には直結しません事、良く覚えていてください。


もちろん既存住宅断熱改修工事も承っております。
←コンテンツ『リモデル』ページ内Y様邸の場合もご覧頂ければ幸いです。


真っ白な雪を眺めながら暖かく暮らせる冬は、まさにプライスレス(普遍的な価値)ですね。


この辺り個別相談は、勉強会またはMAILでも承っております。お気軽に声をお掛け下さいませ。



     ※=LCAとはライフサイクルアセスメントの略語=

存在する商品(製品)やサービスを対象にして、その製造時から、廃棄時までの全ての環境負荷を、総合的に考える手法の事です。

 


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