外壁と屋根のリモデル
 

 サイディング

現在、木造住宅で多く用いられているボード系(窯業系)サイディングは水を吸いやすく、表面の塗料が経年劣化すると割れ、膨れ、はがれ、反りなどの傷みが生じます。また、金属系サイディングはさびが生じます。

塗料の耐用年数は種類によって異なりますが、ボード系・金属系サイディングとも表面を指でこすって塗料の粉末が付着するようになったら、サイディング基板に大きな劣化が及ばないうちに、早めのケアが必要です。

ボード系サイディングは、割れ、膨れ、はがれ、反りが生じてしまったら取り替えます。このとき、経年劣化以外の局部的な傷みの場合はなぜそうなったか原因を把握し、改善してから張り替えなければ、再び同じ傷みが出ますので注意しましょう。

また、サイディングとサイディングの継目はシーリング材で防水されていますが、シーリング材が剥がれたり破断している場合は、吸水の原因になりますので、直ちに補修します。


 モルタル

−モルタル壁のリフレッシュ−

モルタルは耐久性の高い材料でそれ自体が風化することはほとんどなく、ていねいに施工したものでは建物と同じ使用年数までもたせることもできますが、経年に伴って乾燥収縮のほか下地の施工不良、建物の構造的要因などによりひびわれや浮きが生じることがあります。

ひび割れの補修は、一般的には漏水の被害の有無や美観上の判断に基づいて行われているのが実情ですが、ひびわれが生じると漏水したり浮きや剥離の原因になるので、できるだけ早く補修を行った方が良いでしょう。

ひび割れ幅が0.2o未満の場合は充てん工法によるほか、仕上げ塗材やマスチックなどの塗装による補修も可能です。ひびわれ幅が0.2o以上の場合はエポキシ樹脂注入やUカットシール材充てんを行います。

なお、ひび割れが進んでいる場合は、追従性を期待できる補修材を用います。ひびわれが壁全面に及んでいる場合は、塗り替えた方が良いと思われます。

モルタルが浮いている場合は浮き部分を落とした後、塗り替えします。浮き部分が一つの壁面積の50%を越えているようでしたら全面的に塗り替えます。浮いているかどうかはテストハンマーでモルタル表面を軽くたたき、音の高低で確認します。

−モルタル壁からサイディングへ−

ひび割れ、汚れ、漏水の被害が著しい場合、外観を一新しくしたい場合などは、モルタルの上にサイディングを張ることもできます。その場合、壁の中の木部の腐れの程度を点検することが欠かせません。柱などの軸組材が傷んでいる場合は、これを補強したり、亜鉛めっき鋼やアルミ合金製など軽いサイディングを選ぶなどの配慮が必要です。

サイディングを張り付ける際には、金属サイディングの内側に充てんされているウレタンなどの断熱材の断熱性は期待せず、モルタルとサイディングの間に必ず通気層を設けて下さい。


 タイル

タイル張りにひび割れが発生すれば、建物の耐久性に悪影響を与えるばかりでなく、美観を損ねたり、剥落の原因となります。ひびわれは、張り付けモルタルの乾燥収縮、温度変化、建物の不同沈下などの構造的要因が原因として挙げられます。

タイル目地におよそ0.1o以上のひび割れが入ると浮きが生じると言われています。ひびわれ幅が0.2o以上の場合は補修を行った方がよいでしょう。

タイル自体にひび割れが生じた場合は、タイルをはがし、下地にひび割れが入っている場合はそれを補修してから、張り替えます。
浮いているタイルの面積が一つの壁面の50%を越える場合は全面的な張り替えも検討しなくてはいけません。


 屋根

屋根材には屋根用着色亜鉛鉄板が最も多く使用されています。鋼板の錆を防ぐため、亜鉛めっきで防錆し、鋼板の保護と意匠性を高める目的で焼付塗装が行われていますが、日光、雨、結露、温度変化、空気中の亜硫酸ガスや海塩粒子、落雪、雪止め金具などによって塗膜厚さの減少やふくれ、さびなどの経年劣化を生じます。

塗膜のつやがなくなったり色があせてきたら第1回目の点検時期です。落雪などの摩擦などにより塗膜が薄くなったり無くなったりしたら塗り替えの適期です。地域によって異なりますが5〜15年目に相当します。もし、塗膜に微細な膨れや、白錆、赤錆などがみられたら早急に塗装し直す必要があります。厚さ0.35o程度の鋼板で全面に赤錆が生じている場合は、錆が貫通しているので葺き替えると言う検討が必要です。
 


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