ひと口にヘヴィティンバー(大断面フレーム)構造と言っても、大きく分けて数種類の違いがあります。ここでは、代表的な軸組(ポスト&ビーム)とティンバーフレーム( ヴェントフレーム)の違いについて挙げてみました。
 


Post&Beam-Construction
=ポスト&ビーム構法(軸組造)=


大断面の木材を使用し建築を行えば、それは『ティンバーフレームコンストラクション』と呼ばれます。

平たく言えば、日本の在来伝統構法も、大きさの違いこそあれ、やはり『ティンバーフレーム』コンストラクションとなるのです。

しかし、北米やイギリスで『ティンバーフレーム』と言うと、それは
Bent-Constructionを指す事が多いのは確か。

では、その差は何処か?

ポスト&ビームコンストラクション
日本建築でもお馴染みの、角や主要部に通し柱を使い、最上部の梁が通っている構造、図では『のぼり梁』としていますが、その様な軸組造を『ポストアンドビーム』と呼びます。もちろん、『のぼり梁』の代わりに、日本同様、母屋を用い束建てにて屋根を構成する事もあります。

利点としては、屋根を張り出した様なデザインを望む場合、都合が良い手法であると言うことが挙げられます。


Bent-Construction
=ヴェント構法=

ヴェントコンストラクション
対して、ヴェントコンストラクションについてですが、ここで言う 
ヴェント(Bent)とは、壁の面を意味します。

一つの壁面を構成する外周部材に通しの材料を用いて、トラス構造とし、一見軸組ととれる壁を、面として堅牢な構造を持つモノを指します。

この構造故、地上で面を組み立て、それを建ておこすと言う、枠組み壁工法の様な建築工法が用いられます。

この組み方は、映画などでも良く見られますが、この構造の利点としては、面としての剛性と、システマチックな建て込みが挙げられます。背の高い耐力構成面を、足場無く建て興す事が可能となるのです。

双方とも、筋交い等使用しなくとも、横応力に対する強度を発揮する接合強度がありますが、日本の建築基準法に準ずる為、当社では構造用合板にて、壁量計算を満たす事を行っています。

また、これらそれぞれの特徴を理解せず、混合してデザインしてしまうと、建て込みに多大なる時間を要するだけでなく、強度的にも不利になる事が多く、組み上げ方を考慮した組み手を用いないと、最悪、組むことが無理な場合もあるので、注意と見識が必要となります。


枠組み(ツーバイ)造に、ティンバーフレームでパーゴラをデザインした中古住宅<バンクーバーにて>

デザインで組み合わせが可能
上記で触れた様に、建築のデザインから、双方の構造を組み合わせる事が可能です。

また、北米では、枠組み壁工法のフレームを個々の構造計算により組み合わせる『リノベーション』(リフォーム)も良く見受けられます。北米でもアッパークラスに類するこの構法を、 既存の枠組み(ツーバイ)造に、デザインとして組み込むと言う手法です。

その他、日本でログハウスと言うと想像される校倉造や、ダブテイル造なども挙げられますが、ここでの説明は省きます。それらについても詳しく知りたい方や、ティンバーフレームについて疑問等ございましたら、遠慮無く『勉強会』に お申し込み下さい。



凝ったティンバー仕口



変木を用いたインテリア


 


耐久性とデザインは同義と考えます。孫子の代まで、安心して使って頂けるフレームと暮らしませんか。

その他、快適に暮らして頂く為の断熱気密や、健康の為の室内空気質等については、弊社ヘルシーコンセプトに準じます。お気軽にお問い合わせ下さい。