住宅の気密に思うこと
 

2005年12月


雪が横に殴りつけている。そぅ今は季節はずれの大雪の真っ最中。DESKから見える窓の外はまさに ホワイトアウト。

地元ラジオから 風速10M越える吹雪だから気をつけましょってアナウンスが流れてる。そこで ふと思う事。

家って止まってる様に考えがちだけど実は逆。  いえ電車みたく走ってるとかぢゃ無くて 常に外部環境にさらされてるって事。雨や風 雪や灼熱の太陽などなど 家って実は結構過酷なのよね。

ちなみに その風。金融公庫新省エネU地域の推奨値である 隙間相当面積5p/u(C値)の場合 普通に吹く風6Mの風で必要換気量の2.4倍空気が入れ替わる計算になる。

 

 相当隙間面積 (単位:cm2/m2

住宅の総隙間面積(cm2)を床面積(u)で割った数値で表し、C値と呼ばれています。数値が小さい方が、隙間が少なく気密性能がよいことになります。
例えば100m2の家で500cm2の隙間があれば、機密性能は5になります。

隙間相当面積の計算

実質床面積とは建物の内部に含まれる吹抜け、小屋裏、基礎断熱の場合に床下などの気積を2.6mで割った値を床面積に加えたもの。

相当隙間面積の新省エネルギー基準と次世代基準値
  (戸建/共同、共通基準。下記の数値以下にする。)

地 域

I

II

III

IV

V

VI

C

新省エネルギー基準

5

(5)

-

-

-

-

次世代省エネルギー基準

2

2

5

5

5

5

                                                        ( )は推奨値

C値とは、建物の気密性能をあらわす値のこと。延床面積あたりのすき間面積のことで、ゼロに近いほどすき間が少なく、気密性能が高いと言う数字。
 
 
建物全体の総相当すき間面積を実質床面積で割ったもの。測定は実際に建てられた建物で行い、総相当すき間面積は気密測定機械によって測定される。単位はcm/m2で、室内と外気の気圧差が9.8Pa=1mmAq)時に、どれだけの空気が室内から外部に流出するのかを、住宅の床面積で割って算出する。次世代省エネルギー基準では、熱損失係数Qの基準値を制定しているが、C値はQ
値を算出するために、元となる指標として大切な機能。
※ちなみに飛騨高山はU地域です。

これに機械換気の0.5回の換気量を加えると 規定量の3.4倍の換気となる。それがなんと15Mの風(木枝が横殴りに動いてる位)があたると8倍近い換気量にUP
簡単に言えば
1時間に4回以上空気が入れ替わるって事。そりゃ暖房しても暖まるハズが無いすよね(汗)

 体感と風速
風速10m/S 風に向かって歩きにくくなる。置いてある板やトタン板が飛び始める程度
風速15m/S 風に向かって歩けない。ビニールハウスのビニールが飛ぶ程度
風速20m/S しっかりと体を確保しないと転倒する程度
風速25m/S 屋外での行動は危険。立っていられない。樹木が根こそぎ倒れ始める程度
風速30m/S 屋根が飛ばされたり、木造住宅の全壊が始まる程度

もっと言えば イニシャルコストが安く上がって 施工も簡単な ノンダクト式第3種換気だと 機械換気に関係なく吸気口から 風として外気が入ってくる。意識と関係なくもっと換気量が増える訳。


窓から3M先の木を見・・見えない(笑)
かるくヤバイ(^-^;

次世代省エネU地域基準の2p/uですら その風が家にあたるだけで 機械換気を必要としないで 必要換気量をクリアする計算になってしまうの。

エネルギーの予期せぬ損失を防ぐ為にも 壁体内結露を防ぐ為にも ある程度の気密は必要と言う事。やはり最低でもC=1.0p/uはクリアしたい所 です。

過酷な自然環境の中では中気密なんて なんとなく自然素材っぽいカテゴリーは ちょっと悲しい。気密は高めるなら高める。やらないなら全くやらない位ぢゃ無いと余計危険だと思うのよね。うん。
 

外部環境に左右されにくい室内環境の実現手法のひとつとしても 木材を腐らせる結露を防ぎ 断熱材がキチンと効く為の気密だと考えたいのです。

ある 吹雪の中での一考でした。



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