インフルエンザと室内湿度

06年2月


インフルエンザウィルスは低温を好みます。

そして最低気温が5℃を下回ると、患者が急増すると言われています。インフルエンザウィルスは湿度の高い環境に弱くある研究によると、21℃の室内で湿度65%の状態を16時間保てば、99%ウィルスの増殖力や感染力を奪うことができるという事です。

インフルエンザ以外の一般の風邪ウィルス(夏風邪を起こすウィルスを除く)も、低温乾燥状態を好むものが多く、うがいが奨励されるのも、咽喉粘膜の乾燥防止に効果があるからなのです。

低温乾燥が 身体に直接与える影響として 顕著なモノに乾燥肌があります。そして症状によっては 皮膚が乾燥するとアトピーが悪化してしまうのです。

鼻やのどの粘膜が乾燥すると 細菌・ウィルスに対する防御能が落ち感染しやすくなります。

低温乾燥状態では風邪ウィルスが活発になるうえに、鼻・のどの異物遮断の能力が落ちるから、当然風邪を引きやすくなる訳です。

外部の気温が下がって身体の表面が冷やされると、甲状腺ホルモンやアドレナリンが普段より多く分泌されて心拍数が増え、身体の代謝を活発にして熱を産生しようとします。皮膚表面の血管を収縮させたり、鳥肌を立たせたりするのは、熱の発散を抑制するための 防御装置なんですね。

これらはすべて 体温調節機能のために交感神経が緊張して起こる現象です。

 
閑話休題:室内湿度と人間の健康  
   ←人間の最適範囲→
 
微生物
ウィルス
バクテリア
真菌
だに
病原菌
呼吸感染
アレルギー性
鼻カタル
ぜんそく
湿度 
0 10 20 30     40 50 60 70 80 90 100%

上の表で解る様に、相対湿度が40〜60%位が、ダニやウィルスの発生も小さくなるのです。やはり40%以上をキープしたいところですね。
家に病人がいる場合や、事務所を兼ねている場合などでは、快適な温湿度の幅は少し違ってきます。

 

ヒートショックと呼ばれる脳血管疾患も心拍数が増え、体全体で熱を産生しようとするときに起きる症状。寒さに対抗するため急に大きくなる血流が、心臓に近い太い血管の壁から剥がした大きな 血栓を、脳の細い血管に達して詰まらせ命に関わる症状になります。

交感神経は消化管の機能を抑制します。すなわち 胃や腸の働きを鈍くするのです。

『おなかを冷やすとおなかをコワス』って昔お母さんに良く言われたでしょ。
 
腹部表面が冷やされる事により、胃や腸に行く血の流れが悪くなるせいもあると思います。
しかし 寒さで交感神経が緊張し、それを元に戻そうとして、副交感神経が後から緊張して・・・と言った自律神経の乱れが最大の原因になっていると考えられます。

寒い時期に筋肉のコワバリや関節の痛みを訴える高齢者の方、多いのではないでしょうか?

身体の表面が冷やされて交感神経が優位な状態となると、血管が収縮して血流が悪くなり 局所の新陳代謝が衰えるからでしょう。

冬に関節痛が悪化するのは 血流が悪くなってなかなか「痛みの物質」が流れ出ていかないから・・・なんて聞いた事ありますよね。

やはり、
冬は温かく。そして湿度管理はしっかりと。 で、家族の健康は守れそうです。

もちろん、
うがい手洗いの習慣付けは一番の予防策になります。

 
=湿度の調達方法一考=
 
洗濯物を室内で干す(室温が低いと結露の原因になります)
 
観葉植物に水をやる
 
台ふき等 目に見える所に置いて 気づいたら拭き掃除
 
マスクの着用は湿度の保持って意味でも効果あり
 
お風呂のドアを開けておく(室温が低いと・・)等々




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